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コラム

ROIとは?
意味や計算式、ROASとの違いや改善方法を解説

UPDATE : 2022.12.16

事業投資のパフォーマンスを測る指標として、多くの企業で活用されているROI。DX(デジタルトランスフォーメーション)が脚光を浴び、IT投資が加速している昨今、ROIは経営判断の材料として重要視されています。

そこで本記事では、ROIの計算方法やメリット・デメリット、ROIを向上させる方法などをわかりやすく解説します。

INDEX

  • ROIとは
    • ROIが重要視されている理由
  • ROIの計算方法
    • ROIとROASの違い
    • ROIとあわせて理解しておきたい指標
  • ROIを活用するメリット
  • ROIの注意点やデメリット
  • ROIの活用シーン
    • 【経営戦略における投資の評価】
    • 【広告マーケティング施策の評価】
  • ROIを向上させる方法と事例
    • 投資コストを下げる
    • 収益性を高める
  • ROI向上のためのIT投資
    • TCOの把握と削減
  • まとめ

ROIとは

ROIとは「Return On Investment」の略で、投じた費用に対して、どれだけの利益を上げられたかを示す指標です。日本語では、投資収益率や投資利益率と訳されます。ROIが高いほど「投資効率が高い」と判断できるため、事業投資を評価・管理する際の基準として重宝されています。

●ROIが重要視されている理由

ROIを用いると、事業投資の費用対効果やコストパフォーマンスを利益ベースで可視化できます。反対にROIが計測・管理できていないと、効果が薄い施策や投資に費用を投じ続けてしまい、経営状況を悪化させる恐れがあるでしょう。そのためROIは、健全な事業展開を目指すうえで欠かせない指標として認識されています。

現在は、インターネットの普及によりマーケティングチャネルが多様化・複雑化しています。予算配分を最適化するためにも、ROIによる管理が欠かせない状況です。また、マス広告に比べて広告効果を測定しやすいインターネット広告の伸展は、各種広告データの収集・分析を容易化しました。さらに、データを管理するITツールも充実しているため、ROIを追求する環境が整っています。

昨今はDXが注目を集めており、IT投資の効果を図る目的でROIは重要視されています。しかしながら、ROIはその性質上、長期的な利益をもたらす施策や投資の評価には不向きという特徴もあります。ROIを適切なシーンで用いるためにも、その特徴を正しく理解することが大切です。

ROIの計算方法

ROIは、以下の計算式で算出できます。

ROI(%) = 利益 ÷ 投資額 × 100

例として、2つの商品展開を比較する場合で解説します。

【商品A】
売上1,000万円、売上原価300万円、販管費50万円、マーケティング投資額400万円
【商品B】
売上800万円、売上原価200万円、販管費50万円、マーケティング投資額200万円

すると2商品のROIは、以下のように計算できます。

【商品A】ROI = (1,000 - 300 - 50 - 400)÷ 400 × 100 = 62.5%
【商品B】ROI = (800 - 200 - 50 - 200)÷ 200 × 100 = 175%

ROIの数値が高いほど投資効果が高いと評価できるため、この2商品の比較では商品Bのマーケティングがより機能していると言えます。なお、ROIの損益分岐点は0%です。100%を切っている状態が赤字を示すわけではありません。

●ROIとROASの違い

ROIと間違われやすい指標にROAS(ロアス)があります。ROASとは「Return On Advertising Spend」の略で、投じた広告費に対してどれだけの売上を生み出しているかを示す指標です。ROIが利益に対する投資効果を表すのに対し、ROASは売り上げに対する広告投資効果を表している点で異なります。ROASの計算式は、以下の通りです。

ROAS(%) = 広告からの売上 ÷ 広告コスト × 100

例えば、売上が1,000万円で広告費用が400万円の場合、ROASは250%(=1,000÷400×100)となります。言い換えると、100万円の広告費用で250万円の売上を生み出している状態を表します。このようにROASは、広告効果の比較分析に役立ちますが、その広告施策が「利益を生んでいるか」までは評価できません。そのため、ROASを活用する場合は、以下の計算式でROASの損益分岐点となる値を把握しておくことが重要です。

損益分岐点ROAS(%) = 単価 ÷(単価 - 原価)× 100

例えば、単価10万円で原価が3万円の商品の場合、損益分岐点となるROASは約143%(=10÷(10-3)×100)となります。つまり、この施策の場合はROASが143%を下回っている時点で赤字となります。ROASが100%を超えていても赤字を生んでいるケースがある点に注意しましょう。

ROIとROASの違いについて

●ROIとあわせて理解しておきたい指標

ここでは、ROI・ROASとあわせて理解しておきたい重要指標を解説します。

ROE 概要 Return On Equityの略で、自己資本利益率と訳される指標。自己資本を元にどれだけ効率的に利益を上げられているかを示す指標で、投資家が企業の経営効率を判断する際などに用いられる。
計算式 ROE(%)=当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
CPA 概要 Cost per Acquisition(またはAction)の略で、顧客獲得単価を意味する指標。コンバージョン1件あたりの費用を把握できるため、コンバージョンベースでの広告分析や見直しを進める際に有効。
計算式 CPA(%) = 広告コスト ÷ コンバージョン件数
CVR 概要 Conversion Rateの略で、コンバージョンに至った割合を表す指標。商品購入や資料請求など、コンバージョンは自由に定義可能。ROIやROAS、CPAなどの数値を向上させるためには、CVRの高い施策が求められる。
計算式 CVR(%)=CV数÷アクセス数(クリック数)×100
LTV 概要 Life Time Valueの略で、顧客生涯価値と訳される指標。顧客が自社と取引を開始してから終了するまでの期間で、どれだけの利益をもたらしているかを表す。リピートの観点が盛り込まれている点が特徴で、顧客との継続的な関係性向上を図る際の管理指標として重宝されている。
計算式 LTV = 平均購入単価 × 粗利率 × 平均購入頻度(回/年)× 平均継続期間(年)

CVRとLTVについては、以下のページでも詳細に解説しています。CVRを向上させるためのポイントや、LTVを高めるための施策についてもまとめていますので、ぜひご参照ください。

関連記事: コンバージョンとは?意味などの基礎知識をわかりやすく解説

関連記事: LTVとは?重要視される理由と計算方法を解説

ROIを活用するメリット

ROIを活用するメリットには、以下の2点があります。

  • 異なる事業の費用対効果を評価できる
  • 施策レベルで費用対効果を測れる

ROIは、規模の異なる事業間でも投資の効果を評価・比較できる点が特長です。「売上は高いが収益性に問題のある事業」や「収益性は高いが売上が低い事業」などというように、各事業を同一基準で評価できます。収益性の高い事業にリソースを注力したい場合、ROIが客観的な判断材料として機能します。

またROIには、事業単位でなくとも施策レベルで評価・比較できるというメリットがあります。事業やマーケティング施策単位での測定はもちろん、利益と投資コストの定義を変えれば日常的なタスクの評価にも応用可能です。売上やコスト、収益性などの課題を施策レベルで細かく浮き彫りにできるため、改善策の立案や撤退判断を下す際に役立ちます。例えば、製造業ではROIの分析から課題を抽出し、「原材料の変更」や「生産ラインの見直し」などの改善策につなげています。

ROIの注意点やデメリット

汎用性の高い指標であるROIですが、活用する際には、以下のポイントに注意が必要です。

  • 長期的な視点での評価には向いていない
  • 数値化できない施策の評価には向いていない

ROIは計測時点での利益に基づいて評価する指標であるため、長期的な視点で成長性を評価するのには不向きです。例えば、コンテンツマーケティングのように成果が出るまで数ヶ月から1年以上かかるケースでは、最初の数ヶ月はコストのみが計上されROIの数値は悪化します。そのため、ROIを活用する際は「どの期間で比較するか」という時間軸の観点が重要です。

また、ROIは定量的な利益と投資額をベースとした指標であるため、成果を数値化できない取り組みの評価にも向いていません。例えば、知名度や認知度の向上を目的としたブランディング施策の評価は、ROIでは困難です。ROIを活用する場合は、成果(利益)を数値化できる取り組みを評価対象とすることを意識しましょう。

ROIの活用シーン

ここでは、ROIの代表的なビジネスでの活用シーンを解説します。

【経営戦略における投資の評価】

ROIは事業やIT投資、不動産投資などの経営戦略を評価する際に有用です。例えば、エリアや規模の異なる複数店舗を運営している場合。ROIを用いれば、「投資に対する利益」という一定基準で比較でき、事業継続や予算拡大などの経営判断に役立てられます。また、M&AやCRE戦略(企業不動産の運用戦略)で投資案件を評価する際にも、ROIを基準に投資効率を比較できます。

【広告マーケティング施策の評価】

インターネット広告では、集客から受注に至るまでの詳細なデータを取得できるため、広告効果測定の取り組みが進んでいます。データ分析結果を基に効果の高い広告だけに絞り込んだり、効果の低い広告クリエイティブを改善したりと、ROIは広告施策の改善に役立ちます。

同じ広告媒体の中で効果を比較する場面のほか、マス広告やOOH広告など媒体を超えて効果を比較する際にもROIは使用されています。しかしながら、マス広告やOOH広告は中長期的な認知拡大に効果を発揮する側面も強いため、長期的な時間軸で評価する視点が求められます。「ROIで評価する」という発想にとらわれすぎない姿勢も重要です。

ROIを向上させる方法と事例

ROIを向上させるには、計算式(利益÷投資額)の分子にあたる「利益」を伸ばすか、計算式の分母にあたる「投資額」を抑える必要があります。ここでは、その2つの方向性からROIを向上する方法を解説します。

●投資コストを下げる

投資額を抑えるポイントは、利益に結びつかないムダを削減することにあります。例えば、新規事業に伴い設備投資を検討する際には、不要な機能をカットして実装機能を絞り込めると、投資コストの抑制につながります。ただし、コスト削減にとらわれて機能を制限しすぎてしまい、パフォーマンスの低下を引き起こしてしまうと本末転倒です。コスト削減に取り組む際は、利益を守るという観点を見失わないようにしましょう。

広告施策においては、ターゲットの絞り込みがコスト削減に効果的です。購買可能性の高いターゲットに広告配信を絞り込みできれば、収益性を高めつつも広告予算を最適化できます。リスティング広告の場合は、出稿キーワードの調整が有効です。クリック単価と広告効果を両立できるキーワードで広告を展開できると、ROI向上につながります。Webメディアへ広告を出稿する際は、購買ターゲットに合わせたメディアやアドネットワークの選定が重要です。購買見込みのある客層へ広告配信を集中できるため、予算(投資額)を抑えながら効果的に広告を展開できます。

●収益性を高める

収益性を高めるには、コストを維持もしくは抑えながら「販売数を上げる」「単価を上げる」「原価を抑える」といった取り組みが有効です。まず「販売数を上げる」ためには、広告効果を最大化する施策が必要です。複数パターンの広告を同時制作してABテストを実施し、より効果の高い広告クリエイティブを選定する取り組みも一手。CTR(クリック率)やCVRの高い広告クリエイティブを目指して、改善を繰り返します。

「単価を上げる」ためには、商品の上位プランを用意するアップセルを検討すると良いでしょう。既存の製品やサービスを活かしてセット商品化するなど、新たなコストの発生を少なく抑えられると効果的です。「原価を抑える」には、展開する商材を絞り込み仕入れ単価を抑えるという方法があります。そのほか、RPAを活用して作業を自動化し、人的コストを削減するのも有効です。

ROI向上のためのIT投資

技術革新が進み、IoTやAIをはじめとした最新技術をビジネスで活用するケースが増えています。効率化や省人化につながるIT投資は、ROIの向上にもつながります。具体的には、以下のようなITソリューションがROIの向上に貢献しています。

  • SFAやMAの連携による営業プロセスの効率化とムダ削減
  • IoTを活用したモニタリングとメンテナンス機能の強化
  • ビッグデータのAI分析による高精度なターゲティング

DX推進が叫ばれる現在では、IoTやAIなどのIT投資が活発化しています。特筆すべきは、コスト削減や業務効率化を目指した守りのIT投資を超えて、ビジネスモデル変革などを志す攻めのIT投資が重要視されている点です。

●TCOの把握と削減

IT投資を進めるうえでの重要なキーワードがTCOです。TCOとは「Total Cost of Ownership」の略で、総保有コストと訳される言葉です。IT投資の場合、TCOは「機械の導入時に発生するイニシャルコストから、保守・運用・管理にかかるランニングコストまで、全てのコストの総和」を意味します。

TCOは、IT投資におけるコスト算出の精度に影響するため、ROIを管理するうえで欠かせません。また、TCOを継続的にモニタリングできるデータ収集環境を整備できると、IT設備導入後のコスト管理にも役立ちます。ただし、TCOを正確に可視化するためには、以下のような「見えにくいコスト」の存在も把握する必要があります。

  • IT設備の維持費用
  • 機械を活用するためのトレーニング費用
  • 故障時の対応や予防コスト

これらのコストを、IT導入検討時点で測ることは、容易ではないでしょう。そのため、IT導入を検討する際は、最新ITのノウハウを持つITベンダー企業とパートナーシップを構築することも有効です。TCO可視化に役立つシステムを構築できる可能性があるほか、新規ビジネス創出につながるDXを推進できる可能性も高まります。ROIの観点から、DXの戦略的な投資計画を立てるためにも、外部リソースの活用を選択肢に入れることが重要です。

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まとめ

ROIは事業投資の費用対効果を利益ベースで可視化できる指標です。ROIを活用すると、異なる事業や施策の評価・比較が可能になります。なお、定量データが必要となるROIを的確に把握し、数値を向上させていくためには、IT環境を整備することも重要です。IoTやAIを活用して、事業の収益性やコストを改善している例もあります。IT投資を最適化しROIを向上させるために、専門家に相談するところからはじめてみてはいかがでしょうか。

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