客貨車諸部名稱圖解、今回は連結器から。
図69 連結器 引棒
大正14年の自動連結器への一斉交換以前の本州の標準的な連結器で、次図の緩衝器と共に使います。
参考図
フックの後ろの棒はずっと後ろに伸びて、車両の中央で継ぎ目を設けます(3,11および12,13)、その前後の横ハリ部に8~10の緩衝装置があります。
ボギーの場合は前後を通してはいません。
図70 連結器 緩衝器
端バリの左右に4フィートの間隔で取り付けられています。
5が端バリに取り付けられ、2,3が前後に動きます。
5の中には6のたけのこバネがあり、これで緩衝します。
14から16はステップの受けです。
図71 引っ張りネジ
図69の2番の穴に本図の5番を差し込んで組み立てます。
2番はターンバックルになっていて、上下で右と左のネジになっていて、7,8を回すと上下のリングが伸縮します。
10から14のチェーンはねじを締めた上に引っ掛けて安全策としています。
図72 鎖掛け
車両の妻板下部に付くフックで、図71のネジを回している時に鎖を一時掛けておくものです。
図73 自動連結器
ジャーニー式と呼ばれるもので、北海道では各種の自動連結器がありました。
参考に大正9年発行の「各種自動連結器名称録」から写真を紹介します。
「ゼニー式」と書かれているのがこれです。
この本もいずれ紹介したいですね。
図74 自動連結器取付
北海道の有蓋車に取り付ける図面です。
後のものより低く、連結器中心高さは26.5インチ(673.1mm)です。
次は車輪です。
図75 輪軸
図76 タイヤ断面
輪軸に関しての説明は、この時代の本を紹介しようと思います。
「客貨車の話」大久保寅一著、大正15年第2版より
大正時代末期の本ですが、明治からの客貨車も開設されていて、非常に興味深い本です。
上記、連結器の本と共に紹介したいですね。
次回の客貨車諸部名稱圖解はブレーキです。
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