![カディスの片隅にある小さな白い町、サアラ・デ・ラ・シエラ。<br />切り立つ岩山にしがみつくように白い家々が並ぶ町、サアラ・デ・ラ・シエラ。<br /><br />ここは、かつて、戦場であった場所。<br />スペイン王国とムーア人たちが土地の支配権を巡り、争っていた場所です。<br /><br />白い町を作り出したのはアラブからやってきたムーア人たち。<br />しかし現存する白い町の中には、当時のムーア人の痕跡を見るのは難しい…と言われています。<br />それでもサアラ・デ・ラ・シエラの崖の岩を利用している白い家の何軒かは、その昔にムーア人たちが暮らしていた頃の名残を残していました。<br /><br />白い町の中から崖の上を見上げれば、切り立つ岩山の上には天に向かって聳える孤高の砦の姿。<br />砦の城壁の内側にあるのは、塔。<br />そこには、今から約500年前のアラブの世界を彷彿とさせる光景が広がっていました。<br /><br />夜、サアラ・デ・ラ・シエラの町が静かに眠りにつく頃。<br />白い町が張り付く崖の頂にある塔では、物言わぬ影がふわりと漂っているのかもしれません。<br /><br />白いトーガをゆったりと纏った男のその頭には何世代も受け継がれてきたであろう輝く王の冠。<br />傍らにひざまづく兵士たちの腰には先が曲がったアラブ式刀剣や銃。<br />そして銃を持つ兵士は塔に穿たれたのぞき穴から、白いアラブの町へと侵入しようとする不届きものに狙いを定めている。<br /><br />囁かれる声は、今はもう話す者もいない古の言葉。<br />透き通った体を持つ影。<br />掴もうとしても実体はなく、その姿の向こうに見えるのは冷たい石造りの壁。<br /><br />もし、夜中にそっとホテルの部屋を抜け出して、塔のある城壁まで行っていたとしたら、私は、何を目にすることとなったのでしょうか。<br /><br />☆★☆★☆旅程 2015/7/10~2015/7/19☆★☆★☆<br />□7/10 成田発 夜 - EK便-<br />□7/11 ドバイ着 - 乗換4時間(EK便) - マドリード着 昼, コルドバ迄レンフェ移動, コルドバ観光<br />□7/12 コルドバ観光 グラナダ迄バス移動, グラナダ観光<br />□7/13 グラナダ観光<br />□7/14 グラナダ観光, ロンダ迄バス&レンフェ移動, ロンダ観光<br />□7/15 ロンダ観光, 白い村迄バス移動, 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光<br />■7/16 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光, ロンダ迄バス移動, マドリード迄レンフェ移動<br />□7/17 マドリードからセゴビアへレンフェで日帰り旅<br />□7/18 マドリード街歩き, マドリード発 午後 - EK便-<br />□7/19 ドバイ着 - 乗換2時間(EK便) - 成田着 夜<br /><br />☆★☆★☆初・初・初の女子二人旅 旅行記☆★☆★☆<br />【1】灼熱のフライパンを歩く~旅の始まりは42℃の洗礼~<br />http://4travel.jp/travelogue/11034201<br />【2】メスキータとアルカサル~コロンブスの発見は何をもたらしたのか~<br />http://4travel.jp/travelogue/11037016<br />【3】真夏が見せた蜃気楼~礼拝堂で見たものは…~<br />http://4travel.jp/travelogue/11046902<br />【4】時に浮かぶ幻想宮殿 Alhambra <br />http://4travel.jp/travelogue/11062297<br />【5】魔法の門が崩れる瞬/グラナダの熱い夜<br />http://4travel.jp/travelogue/11069115<br />【6】チュロスとホットチョコで始まるグラナダの朝<br />http://4travel.jp/travelogue/11076609<br />【7】≪特命指令≫ シロキ マチ ヲ コウリャク セヨ <br />http://4travel.jp/travelogue/11079496<br />【8】行ってみたい白い村~Zahara de la Sierra~<br />http://4travel.jp/travelogue/11102653<br />【9】孤高の砦へダンジョン探検<br />http://4travel.jp/travelogue/11203550<br />【10】ガイドブックにはないセゴビア<br />http://4travel.jp/travelogue/11253212<br />【11】怒りと抗議の魂≪ゲルニカ≫<br />http://4travel.jp/travelogue/11254478](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/11/20/35/650x_11203550.jpg?updated_at=1505833530)
白き町はアラブの夢を見る☆孤高の砦へダンジョン探検【女子二人旅-9(Zahara de la Sierra)】
2015/07/10 - 2015/07/19
2位(同エリア11件中)
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カディスの片隅にある小さな白い町、サアラ・デ・ラ・シエラ。
切り立つ岩山にしがみつくように白い家々が並ぶ町、サアラ・デ・ラ・シエラ。
ここは、かつて、戦場であった場所。
スペイン王国とムーア人たちが土地の支配権を巡り、争っていた場所です。
白い町を作り出したのはアラブからやってきたムーア人たち。
しかし現存する白い町の中には、当時のムーア人の痕跡を見るのは難しい…と言われています。
それでもサアラ・デ・ラ・シエラの崖の岩を利用している白い家の何軒かは、その昔にムーア人たちが暮らしていた頃の名残を残していました。
白い町の中から崖の上を見上げれば、切り立つ岩山の上には天に向かって聳える孤高の砦の姿。
砦の城壁の内側にあるのは、塔。
そこには、今から約500年前のアラブの世界を彷彿とさせる光景が広がっていました。
夜、サアラ・デ・ラ・シエラの町が静かに眠りにつく頃。
白い町が張り付く崖の頂にある塔では、物言わぬ影がふわりと漂っているのかもしれません。
白いトーガをゆったりと纏った男のその頭には何世代も受け継がれてきたであろう輝く王の冠。
傍らにひざまづく兵士たちの腰には先が曲がったアラブ式刀剣や銃。
そして銃を持つ兵士は塔に穿たれたのぞき穴から、白いアラブの町へと侵入しようとする不届きものに狙いを定めている。
囁かれる声は、今はもう話す者もいない古の言葉。
透き通った体を持つ影。
掴もうとしても実体はなく、その姿の向こうに見えるのは冷たい石造りの壁。
もし、夜中にそっとホテルの部屋を抜け出して、塔のある城壁まで行っていたとしたら、私は、何を目にすることとなったのでしょうか。
☆★☆★☆旅程 2015/7/10~2015/7/19☆★☆★☆
□7/10 成田発 夜 - EK便-
□7/11 ドバイ着 - 乗換4時間(EK便) - マドリード着 昼, コルドバ迄レンフェ移動, コルドバ観光
□7/12 コルドバ観光 グラナダ迄バス移動, グラナダ観光
□7/13 グラナダ観光
□7/14 グラナダ観光, ロンダ迄バス&レンフェ移動, ロンダ観光
□7/15 ロンダ観光, 白い村迄バス移動, 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光
■7/16 白い村(サアラ・デ・ラ・シエラ)観光, ロンダ迄バス移動, マドリード迄レンフェ移動
□7/17 マドリードからセゴビアへレンフェで日帰り旅
□7/18 マドリード街歩き, マドリード発 午後 - EK便-
□7/19 ドバイ着 - 乗換2時間(EK便) - 成田着 夜
☆★☆★☆初・初・初の女子二人旅 旅行記☆★☆★☆
【1】灼熱のフライパンを歩く~旅の始まりは42℃の洗礼~
http://4travel.jp/travelogue/11034201
【2】メスキータとアルカサル~コロンブスの発見は何をもたらしたのか~
http://4travel.jp/travelogue/11037016
【3】真夏が見せた蜃気楼~礼拝堂で見たものは…~
http://4travel.jp/travelogue/11046902
【4】時に浮かぶ幻想宮殿 Alhambra
http://4travel.jp/travelogue/11062297
【5】魔法の門が崩れる瞬/グラナダの熱い夜
http://4travel.jp/travelogue/11069115
【6】チュロスとホットチョコで始まるグラナダの朝
http://4travel.jp/travelogue/11076609
【7】≪特命指令≫ シロキ マチ ヲ コウリャク セヨ
http://4travel.jp/travelogue/11079496
【8】行ってみたい白い村~Zahara de la Sierra~
http://4travel.jp/travelogue/11102653
【9】孤高の砦へダンジョン探検
http://4travel.jp/travelogue/11203550
【10】ガイドブックにはないセゴビア
http://4travel.jp/travelogue/11253212
【11】怒りと抗議の魂≪ゲルニカ≫
http://4travel.jp/travelogue/11254478
エリア
サアラ・デ・ラ・シエラ(スペイン)- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- ショッピング
- 4.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
2015年に友人と歩いたスペインのアンダルシア地方。
私が友人と知り合うきっかけとなったのはスペイン語。
2010年に初めて足を運んだ大学のオープンカレッジで、同じ講座を受講していたのが彼女だった。
奇しくも彼女も私もその年が、初めてのオープンカレッジへの参加。
中級講座の筈なのに、周りのクラスメートたちはもう流暢に先生との会話を楽しめるレベル。
自称中級と言っても、まだ赤ちゃんに毛が生えた程度の私達二人のスペイン語の力。
並み居る強者たちの間で萎縮しそうになる小さなハートを励ましつつ、授業を録音し復習するというコトを繰り返し、二人で頑張った。
その時の講座の先生はアルゼンチン人のJorge(ホルヘ)先生。
Jorge先生はNHKラジオのスペイン語ニュースでナレーターを務める程なので、日本語の理解も会話もかなり達者だが、授業中は容赦ないスペイン語のマシンガン攻撃。
話しかける時には零れ落ちそうになる程の大きな目玉で顔を覗き込んでくる先生は、私達の中ではかなり怖い存在。
でも、Jorge先生の授業について行けるようになりたい。
その一心で授業を受け続けた。
(写真:サアラ・デ・ラ・シエラの白い町) -
その時から5年。
Jorge先生のスパルタ式授業のお蔭で、旅行会話位ならばなんとか自信を持てるようになった(って私が思っているだけかな)私と友人は、スペインへと旅立った。
私達が旅先に選んだのは、スペインの南部にあるアンダルシア地方。
コルドバのメスキータでは連なるアーチの不思議な陰影に心を打たれ、グラナダではアルハンブラの栄華を肌で感じ、ロンダでは橋が呟く昔語りに耳を傾けた。
そして、白い町(村)であるサアラ・デ・ラ・シエラ。
陸の孤島・白い要塞のような町:サアラ・デ・ラ・シエラ。
そこでは、素朴な出会いが…。
そんなZahara de la Sierraの旅行記 2日目のはじまり、はじまり…
(写真:岩肌に沿うように白い家々が並ぶサアラ・デ・ラ・シエラ) -
白い町 サアラ・デ・ラ・シエラでの朝。
時刻は朝6時。
遠くから聞こえてくるのは、時を告げる鶏の声。
湖の傍の放牧地では羊たちも目を覚まし、何やら賑やかな音。
部屋の窓を開けると大きな湖の向こうは朝焼けに染まっていた。 -
スペイン人が一度は行ってみたいと思っている小さな白い町(サイズ的には村かな?)Zahara dela Sierra(サアラ・デ・ラ・シエラ)。
友人と私がその町で宿泊をしたのは、岩壁に張り付くように作られたホテルのアルコ・デ・ビジャ(Arco de la Villa:1泊朝食付きツインルーム一室で44ユーロ)。
岩に張り付くと云うよりも、岩そのものがホテルの中に取り込まれていてホテルの廊下には岩肌がそのまま露出し、それがまた良い味を出している。 -
地図を見る
朝から気温は25℃以上。
窓を開け放ったまま、友人と二人で朝の支度。
このホテルはサアラ・デ・ラ・シエラの一番の高台に立っているので、どこから覗かれる心配もない。
最高の夜明けを眺めながら、朝のひと時を過ごす。
朝日が山の端からその顔を覗かせ、モノトーンだった世界に彩が戻る。Tugasa Arco de la Villa ホテル
-
お日様が白い町全体を照らしだした朝7時半。
朝食前の運動の時間。
半袖の上に薄物を1枚羽織り、外へと出る。
まだ、町の中は静かなまま。
車の音もヒトの声も聞こえては来ない。 -
私達がこれから向かおうとしているところ。
それは、サアラ・デ・ラ・シエラの崖の上に建つ塔:Torre del Homenaje。
写真は前日の午後に撮影した町の風景(再掲載)だが、この写真の崖の上の塔を目指そうと思っていた。
崖は町の上に垂直に聳え、その尾根もギザギザ。
ちょっと危険な香りのする朝さんぽになりそうだ。 -
朝日が家々の白壁に当たると、白い壁の色はうっすらとしたピンク色に変わる。
昨日の夕日に輝く街も素敵だったが、朝日の色も捨てがたい。 -
実は、宿泊したホテルのアルコ・デ・ラ・ビジャは塔への遊歩道の直ぐ真下にある。
だから、塔へのアクセスもとっても簡単♪ -
5分も歩くと、もう塔を囲む城壁の真下までやってきた。
城壁の上では鳥たちが朝活の真っ最中。
私達も、あの鳥たちの中へ突入~と思ったのだが…。 -
塔の裏側に、城壁の奥へと繋がる道を発見!
こんな道を見つけてしまったら、行くしかないよね。 -
昇ったばかりの太陽が湖に反射してキラキラと輝く。
-
途中で道はだんだん険しくなり、トゲトゲのサボテン道路へと変わる。
何だか気分は川口探検隊みたいだ。 -
道は崖の裏側を回り込むように続いていて、村の反対側を見下ろせる高台へと出た。
ココから下へと降りる道があるのかと思っていたら、そこは行き止まりでその先へは勧めない。
残念。
引き返すしかないようだ。 -
トゲトゲサボテンの道を通り、再び塔を目指す。
-
道沿いには野生のウチワサボテンがたくさん生えていて、ココはメキシコか!?と突っ込みを入れたくなるくらい。
-
塔の近くで、説明看板を見つけた。
看板によると、Torre del Homenajeは15世紀頃まで使われていた塔だというコト。
使われていたって、何のために…という感じなのだが、その理由は白い村や町に隠されている。
もともとスペイン南部のアンダルシア地方は、コロンブスが活躍していた時代まではアラブと欧州とで土地の争奪戦をしていた地域。
そして、白い町や白い村はムーア人(アラブ人)たちがやってきて作った彼らのコミュニティ。
崖に沿う形で作られた白き要塞・サアラ・デ・ラ・シエラもそんなムーア人たちの村の一つだった。
世界遺産で有名なアルハンブラやコルドバ、ロンダもかつてはムーア人たちの町だったのだが、その頃に力をつけてきたスペイン王国のカトリック両王により屈服させられた町だ。 -
当時、この辺りにあった小さなアラブの集落は、アルハンブラを落とし勢いづいた欧州勢に追いまくられ、次から次へとスペイン王国の手の中へと落ちて行った。
そして、サアラ・デ・ラ・シエラのムーア人の白い村にもスペイン王国の魔の手が迫り、その戦いの時に村のアラブ勢が基地としたのが、この塔であるTorre del Homenajeだというコトだ。
Torre del Homenajeとはそのまま訳すと「賞賛(敬意)の塔」とかの意味になるが、私流に意訳すると多分だが「天守閣」や「物見の塔」のような意味になるのだと思う。
塔の傍の城壁の上から、白い町を見下ろす。
アラブとスペイン王国が戦った時、この下に見える家々は火の海に包まれていたのかもしれない。 -
イチオシ
塔の入口は、典型的なアラブ式の二重の馬蹄形の門。
その中へと入る。 -
1階部分は大きな空間が4枚の壁で十字に仕切られ、窓もない暗い部屋だ。
各部屋も特に何もなく、ただ積み上げられた石壁があるだけ。
拷問部屋だと云われたら納得しれしまうかもしれない。 -
そんな暗がりの片隅に洞穴を発見。
覗き込んでみると、洞穴の先は明るく、どうやら階段みたいだ。
危険がないか確認するために真っ暗な階段めがけて、フラッシュ撮影。
どうやら危険はなさそうだ。
ダンジョン探検みたいで面白くなってきた。 -
塔の二階部分へと上がると大きな窓。
これは明かり取りの窓かな。 -
イチオシ
Oh !
素敵な額縁だ~。
塔の中から切りこまれた窓越しの景色を眺めると、額に入った絵画の様だ。 -
二階フロアの壁に開けられた額縁の様な四角い穴。
この穴は景色を見るための窓ではなく、大砲を設置するための窓だそうだ(先ほどの説明板に書いてあった)。 -
そして、三階へと続く次なる階段が現れた…。
-
三階の小部屋の壁には小さな窓が切られていた。
窓は室内側は広く、外壁に行くほど狭く切り込まれている。
多分、狙撃手を配置するための窓だったのだろう。 -
階段を登りきると、そこは塔の屋上。
サアラ・デ・ラ・シエラの一番高いところ。
白い町の四方を上から見下ろす。 -
塔の上からは、湖の向こう側にある小さな白い村も見える。
-
ちょっと望遠レンズで覗いてみると…、
山間の谷間に沿うように作られた白い家々。
あそこにも、サアラ・デ・ラ・シエラの様な歴史物語があるのかもしれない。 -
足を踏み外さないように壁に手をつきながら一歩一歩ゆっくりと階段を下りて…、
-
外に出て、塔をもう一度見上げる。
さっき、二階で見つけた明かり取りの窓があった。 -
お腹も空いてきたことだし、朝食をとりにホテルへと戻る。
-
イチオシ
途中の城壁から、もう一度、白い町を見下ろす。
朝日の色は消えて、もう白壁は白いままだ。 -
ホテルへ帰る途中で、地元のオジサンが何かの木の実をとっているのに出会った。
好奇心旺盛の私たち二人は、考えるより先にまず口が出てしまい、「何をとってるのですか」とオジサンに声をかける。 -
オジサンは近くにある木を指して、この木の実だよ。と教えてくれた。
このやせっぽっちの木。
何の木だろう? -
オジサンは木を手繰り寄せて、実のあるところを教えてくれた。
なんだか実の形がオリーブに似ている? -
オジサンは木の実を何個かもいで、私の手の上に乗せた。
不思議そうにその実を見つめる友人と私。
オジサンは「Almendraだよ」と教えてくれた。
アルメンドラ…と言うんだ。
オリーブではないのだね。
電子辞書はホテルに置いてきているので、アルメンドラが何か分からない。
アルメンドラ、アルメンドラ…と口の中で呟いている内に、ひらめいた。
アーモンドだ!!! -
ここには、野生のアーモンドが自生しているんだ!
どうやってコレを食べるのかと聞いたら、おじさんがアーモンドの皮を剥いてくれ、食べてごらんと言うので、一粒を口にする。
生のアーモンドは、少し硬くてその香りが杏仁みたい。
でも、アーモンド独特の風味が口の中に広がって美味しい。
ついつい、2個、3個と口にする。
オジサン曰く、生でもおいしいし、ローストしても良いんだよ。
ただ、生の状態ではあんまり食べない方がいい。お腹が緩くなるよ…と。
そういう事はもう少し早く教えてくれ~。 -
親切なオジサンにお礼を言って、ホテルに戻り朝食(朝食は宿泊費に込)。
どうやらこの日の宿泊は友人と私以外には、もう1家族だけの2組のみ。
湖が眼下に広がるレストランのテラス席で優雅に朝食。
ロケーションは優雅だが、その内容はとってもシンプル。
パン、ジャム、パテとコーヒーだけだ。 -
朝食後は、友人は部屋で休憩。
朝っぱらから私のペースで朝の散歩に付き合わされたので、彼女はチェックアウト時間まで、ホテルの部屋からの景色を堪能するとのこと。
私は、昨日に歩ききれなかったサアラ・デ・ラ・シエラの町を歩きに行く。 -
昨日は40℃近い暑さの中の外出だったので、道端の植物に気を配る余裕もなかったが、まだ気温の低い朝ならば、花を見つける余裕もバッチリ。
小さな赤い花を見つけた。 -
町では、白い壁の塗り替え作業中の家。
白い壁は、汚れが目立つのでメンテナンスがけっこう大変。 -
白い町を観光資源として売り出しているからには、その白さを維持し続けなければならない宿命なのだろう。
お兄さん、Animo(ガンバレ)! -
岩にへばりついている岩壁の町なので、家の壁や土台に岩がそのまま使われている。
そんな景色を見つけるのがすごく楽しい。
やっぱり、この町へ来てよかった。
今回の旅は海外が初めてという友人との二人旅。
日本人に人気のあるメジャーな観光地巡りの方がよいだろうか…とプランニング時には悩んだのだが、ミハスやフエンヒローラと云ったツアーで必ず立ち寄るようなお土産屋さんだらけの白い町では、こんなに白い町そのものを楽しむことはできなかったであろう。 -
青い空に白い壁、その色のコントラストも綺麗だ。
昨日の午後に見た町の色合いも良かったが、やはり午前中の空の方が空気が澄んでいるのか、その青さが際立つ。 -
湖に向けて、知らない道をどんどん下る。
小さな町なので、なんとなくの方向に歩いていても迷子になる心配もない。 -
ホテルの崖下に当たる部分には、こんな緑地帯もあった。
-
昔の城壁跡が、家々のすぐ脇まで迫っている。
フェンスがしてあるから入れないのだろうが、あの城壁の上から町を見たら、また違った景色が見えてくるのだろう。 -
イチオシ
時刻は10時。
まだ、そんなに気温も上がってはいない。
町のオバサマ方の行動時間が始まったようだ。
町の中は右に行っても左に行ってもオバサマだらけ。 -
地図を見る
路地を歩いていて振り返ると、白い家々の背後に、朝に訪れた塔が見える。
こういう何気ない景色がすごくいい♪サアラ デ ラ シエラ 散歩・街歩き
-
町の中には小さな礼拝堂(Capilla)ある。
この礼拝堂は、Capilla San Juan de Letranで作られたのは、20世紀。
けっこう最近だね。 -
歩いていたら、また塔の見える場所に。
断崖絶壁に立つ白い町。
それが、サアラ・デ・ラ・シエラなのだね。 -
イチオシ
真っ白いのっぽさんは、Torre del Reloj:時計台だ。
時計台と言っても時計の文字盤が壁に張り付いている訳ではない。
昔は時計と言えば、鐘の音。
鐘楼だね。 -
時計台は新しそうに見えるが結構古くて、18世紀に作られている。
-
もう少し先まで町を散歩したかったが、時間的にこの辺で引き返さなければならないかな。
ホテルに向けて踵を返す。 -
ホテルに入る前に、少しだけアラブ時代の城壁の方へと足を延ばす。
-
特に保護されているわけではないが、この石組達は全て遺跡。
アラブのムーア人たちが作った城の跡。
15世紀頃、ココにはアルハンブラのような…とは言わないが、アルハンブラのアルカサルに似た雰囲気のアラブの出城があったのだろう。 -
建物の二階へと上がる階段の跡も残っている。
夜にここにきていたら、不思議な音が聞こえてきたりして…。
そんな風にも思えてくる。 -
遠くから見たら崖にしか見えない部分も、よく見ると石積の城壁になっている。
切り立つ石積の城壁は、どことなく荒涼としたイメージでもある。
Zahara de la Sierra(サアラ・デ・ラ・シエラ)の町の名前:Zaharaの名前の由来は二説あり、どちらもアラビア語からきている。
アラビア語のZaharaには、花という意味と、砂漠(サハラ砂漠)や荒野の二通りの意味がある。
春には湖の畔に花が咲き乱れ、花の中に浮かぶ断崖の町だから【花の山脈】(Sierra:シエラは山脈や高原を意味する)。
または荒涼とした崖が連なるから【荒涼とした山】とする二説の命名説がある。
この場所へ来る前は【花の山脈】説を支持していたのだが、切り立つ断崖や城壁跡を見ると【荒涼とした山】という説も説得力があるなぁ…という気がしてきた。 -
友人が待つホテルへと戻る。
ホテルの壁には新聞の切り抜きが掲示してあり、どうやらこのホテルがピックアップされたようだ。
見出しは、カディス州の田舎の雰囲気を味わえるお勧めのホテル…と言ったところか。
確かに、その通りだね。 -
イチオシ
12時にホテルをチェックアウトし、バルで昼食をとった後は、この町ともお別れの時間。
スーツケースを引きずりながら炎天下の道を歩きバス停へ。
バス停には屋根があり、強烈な日差しを遮る日よけとなり助かった。
サアラ・デ・ラ・シエラの路線バスは、ロンダとの間に朝と昼の1日2本だけ。
14時のバスを逃がしたら、もうロンダへと戻る手段はなくなってしまう。 -
バスは定刻にやってきた。
バスの車窓から、大好きになった白い町の姿を振り返る。 -
地図を見る
ロンダからはレンフェ(鉄道)でマドリードへと移動をする。
切符はあらかじめ入手していたので座席の心配はなかったのだが、列車内の混雑が物凄かった。
指定席は多分、売り切れ状だったのだろう。
列車内の頭上の棚もほぼ満杯。
持ち込んだスーツケースの一つは座席前の足元に置くしかない状態。
お蔭で膝をそろえて座ることが出来なく、座り方は大股開きという大和撫子にあるまじき恰好。
ロンダ-マドリードの4時間の列車旅は、けっこうきつかった。ロンダ駅 駅
-
20:30に旅の振り出し地点、マドリードのアトーチャ駅に到着。
暫く田舎の空気の中に居たので、マドリードに戻ってくると人の動きが忙しなく感じられる。 -
地図を見る
この日の宿は、アトーチャ駅から徒歩5分というメリットだけで予約したホテル:AC Hotel Carlton Madrid by Marriott, Madrid。
一応カテゴリーとしては☆☆☆☆で、ツインルームで1部屋が1泊1万円程度。
部屋も広くバスルームも使い勝手が良く、まあまあかなぁ…なんて思っていたのだが、夜中に欠点が判明。
このホテル、非常に壁が薄い。
夜中の1時、2時に隣の部屋の話し声が何を話しているか内容まで分かってしまう壁の薄さって、大丈夫だろうか。AC ホテル カールトン マドリード ホテル
-
イチオシ
地図を見る
荷物をホテルの部屋に置いた後は、再びアトーチャ駅へ。
夕食を食べられる場所を探しに行く。
本当はメトロでマヨール広場(Plaza Mayor)まで行って夕食と思っていたのだが、40℃近い気温の中での連日の街歩きでさすがに疲れが出ていたので、この日は駅の中のレストランへ。
駅中なのでレストランには期待してはいなかったのだが、思いがけずロケーションの良い落ち着いたレストラン:Samarkanda を発見!アトーチャセルカニアス駅 駅
-
Samarkanda はアトーチャ駅の熱帯植物園を見下ろすロケーションのレストラン。
アンダルシアに到着してからの食事はいつもバルで、席は空気の流れるテラス席ばかり。
だから、冷房の効いた室内で食事をするなんてとても久しぶり。
暑い中に居たので食事の時の飲み物はずっと生ビール(Cana)ばっかりだったが、ここでスペインに来て初めてワインをオーダー。
そんなに高くなくてお勧めのワインをカマレロに教えてもらう。
結局、美味しくって同じワインをもう一杯お願いしてしまった。
バルとは違う静かなオトナな雰囲気での食事。
値段はそれなりかな。
時間も22時と遅かったので敢て料理は軽めの物をお願いして、二人で50ユーロ。
ワインとビールとおつまみだけなので安くはないが、ゆっくりと静かに食事をしたいならばお勧めできるレストランだった。
マドリードまで戻ってきたら、実質的にスペインで遊べるのはあと1日だけ。
最後の1日は、少しだけ北部へと足を向けるセゴビアへの日帰り旅。
セゴビアの水道橋やディズニーの白雪姫のお城のモデルとなったと云われるアルカサルなど、見てみたいものは沢山。
それが、まさか…の展開の一日に…。
まあ、終わり良ければすべてよし…なのだが、旅は何があるか分からない。
前の旅行記:【8】行ってみたい白い村☆Zahara de la Sierra
http://4travel.jp/travelogue/11102653
続きの旅行記:【10】ガイドブックにはないセゴビア
http://4travel.jp/travelogue/11253212
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この旅行記へのコメント (2)
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- 鼻毛マンさん 2017/01/15 23:08:26
- アーモンドの木
- ウェンディさん、こんばんわ。
アーモンドの木に触発されてコメントしに来ました。
僕の家の庭にはアーモンドの木が植えられていて、昨年は1粒だけ生りました。
嫁さんと一緒に、「これってどうやって食うの〜?」って悩んだ末に、そのままアーモンドの木の傍に落としておきました。
芽が出て自生するといいなって思って。
ウェンディさんの旅行記で、アーモンドは少しなら生で食べてもいいし、ローストするともっといいって知ることができたので、今年生ったらまずは生で食べてみますね。
たくさん生ったら、ローストしてみようかな。
まぁ、アーモンドの木は、食用じゃなくて、桜のようにきれいな花を付けた姿を見たくて植えたので、食べなくてもいいのだけど。
今年のゴールデンウィークは、嫁さんが母にサグラダファミリアを見せてあげたいという思いがあって、もしかするとスペイン再訪することになるかもしれません。
僕は僕でアンドラ公国に行ってみたかったので、まんざらでもないのです。
でも、本当は1人でどこかに行きたいのですけど...
明日からまだ仕事。
旅行資金確保のため、せいぜいがんばって働いてきますね。
- ウェンディさん からの返信 2017/01/16 22:09:39
- RE: アーモンドの木
- 鼻毛マンさん こんばんは。
お庭にアーモンドの木があるなんて優雅ですね。
私はまだアーモンドの花の実物は見たことがないのですが、写真で見る限り薄桃色の花で可憐な感じ。
アーモンドは葉の形は細長くて、幹も太いわけではなく樹としては桜とは似ていないのに、やはり同じサクラ属。どちらも花の雰囲気は似ていますね。
あと何年かして鼻毛家のお庭でアーモンドの花が咲き乱れるようになったら、その実も食べられるようになるでしょう。
その時は是非、生のままの野生の味を楽しんでみてください。
でも、食べ過ぎはダメですよ。
サアラのオジサン曰く、食べ過ぎるとお腹がP~となってしまうそうです。
GWは親孝行旅ですね。
バルセロナに二回も行けるなんて、うらやましいです。
私もまた、スペイン行くぞ~と時期を虎視眈々と狙っています。
旅資金確保のため、お仕事、お互いに頑張りましょう。
(でも、私みたいにストレス性疾患を抱えない様にしてくださいね)
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